桃を買いに行く/芦田みゆき
桃を買いに行く (写真と言葉)
写真と言葉:芦田みゆき
ジャンル:写真と言葉の本
出版/制作:00-Planning Lab
発行年:2022.5
Book design:Hidemi Okuyama
A5判、148mmx210mm、16ページ、カラー、表紙・箔加工、中綴じ、糸かがり
本の特徴:厚みのあるボード紙の表紙と、上質な白いコットン用紙を本文に使用しています。
表紙はクラフト感のあるグレー色のボード紙に写真をプリント。その上からメタリックピンクの箔押しでタイトルを入れました。
本文の用紙は、コットン特有の柔らかさを持ちながらもコシがあり、手にした時の上品な質感が特徴です。 ECF(無塩素漂白)パルプで作られているため環境にも優しい素材です。
内容:『桃を買いに行く』日・英全文と、表紙を含め12枚の写真で構成しています。(一部にNude作品が含まれています)
作者の言葉より:
『桃を買いに行く』は、生と死をテーマとした写真と詩による作品です。
私は2009年『ユリイカ』(青土社) 6月号に「桃を買いに行く」という詩を発表しました。桃を剥く女と、街を彷徨いながらそれを夢想する僕の物語です。
恍惚と街を歩き回る。
この街のどこかで、女は桃を剥いている。
僕はとても渇いている。そして、桃が食べたいと思っている。
しかし、僕は自分で桃を買いに行くことができない。
なぜかというと、死へと大きく傾いているから。
僕は死に浸りながら生を夢想し、日々を生きている。
そんな物語です。
現実の私は<生>の部分を、写真と言葉を使って生きています。
桃は<生>そのものです。そして触れると瞬時に赤黒く<死>に染まっていく。私自身のように。
詩を発表した当初から、私には言葉と同時に明確な映像のイメージがありました。
しかし、撮りたくなるのはいつも真冬で、桃が売ってない。そんなことを繰り返し6年が経ち、2015年の夏、桃を抱えるモデルさんを撮影しました。
街を彷徨う「僕の見る光景」は、 2018年〜 2022年にかけて撮影しました。
「桃を抱える女」と「僕の見る光景」が同じ時空に並べられるとき、この物語は終了します。
僕と私と女と桃、死に傾いた生と、死を内包する生、写真と言葉、全ては出合い、また通り過ぎていきます。
その瞬間に一緒に立ち会っていただけたら嬉しいです。
私はこれからもまた、カメラとペンを持つでしょう。新しい<生>を求めて。
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Miyuki Ashida
Born in Tokyo
Nihon University College of Art, Fine Arts
Award
2011〝RICOH RINGCUBE BUIDING,Two side signboards Competition〟Highest award
2015〝Moscow International Foto Awards(MIFA)2015〟Honorable Mention
2016〝Paris PX3 Photography Competition 2016〟Silver & Honorable
2017〝Nude〟(Dojima River Awards 2017)
Exhibition
2015〝Border〟(Gallery Camellia)
2016〝南南東〟(Omotesando Gallery)
2020〝Tokyo Wall ginzaline〟(iia gallery)
2022〝Tokyo Wall ginzaline 2〟(iia gallery)
2022〝桃を買いに行く〟(Art Gallery M84)
Kindle Photo book
〝Shut Your Eyes〟〝南南東〟〝二重の町〟〝囁き〟(CRP JAPAN)
〝Take Five〟vol.1-2
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(*1)
芦田みゆき写真展「桃を買いに行く」
2022年5月9日(月)〜5月21日(土)
10:30〜18:30(最終日17:00まで)
入場料:500円
会場:Art Gallery M84
東京都中央区銀座四丁目11-3ウインド銀座ビル5階
http://artgallery-m84.com/?p=9422
ギャラリートーク
5月14日(土)
鈴木光雄(写真家)× 芦田みゆき
5月15日(日)
横木安良夫(写真家)×川口晴美(詩人)× 芦田みゆき